生き残りをかけた勝負

フォーサーズについて、その基本的な考え方は非常に完成されている。
特に、システム全体を一から設計しデジタルに最適化しているという点では、他には無い完成度を持っていると考えられる。
しかし、他社はデジタル一眼レフカメラの黎明期には、大きな問題とされていた問題を新しい技術の開発により、根本的に解決してきた。
但し、その全てが完璧に解決されているわけではない。
その為、かろうじてフォーサーズシステムには、他のシステム対する優位性を保ち続けている。

その優位性の最も大きい優位性が”テレセントリック性”である。
デジタルカメラとフィルムカメラで一番の違いは、フィルムカメラの”フィルム”に該当する部分で、その特性の違いによるものであると言える。

デジタルカメラに用いられるCCDやCMOS等の撮像素子は、基本的に撮像面に対して垂直に当たる光は、しっかり受光できても斜めに入ってくる光には、著しく受光量が落ちてしまうという特性を持っている。
フィルムも、多少そういった特性は持っているものの、撮像素子と比較した場合、斜めの光に対してもしっかりと感光できる。

それを解決する為に、撮像面に対して、レンズを通って入ってくる光を可能な限り垂直にするようにしなければならない。
その”テレセントリック性”をトータルで追及したのがフォーサーズである。

しかし、もしフィルムと同様に、斜めからの光でも垂直の光と変わらず受光できる撮像素子が開発されたとしたどうだろうか。
フォーサーズシステムの根本的な理念は音を立てて崩壊する事となる。

実は、そういった撮像素子が、既に開発され実用化されているのだ。
その撮像素子が裏面照射型と言われる物で、ソニー製のExmor Rがそれにあたる。
まだ、大型の撮像素子を必要とする一眼レフタイプのカメラへの採用は無いのだが、ソニー製やリコー製のコンパクトデジタルカメラで一部採用されているので、興味のある方は調べてみて頂きたい。

他方、この裏面照射型の普及によりフォーサーズはその立場を失いかねない状況に陥っているが、逆にマイクロフォーサーズには、最適なセンサーであるとも考える事ができる。
裏面照射型の最大の特徴は、S/N比の向上にある。
ものすごく簡単にいえば、高感度に強いセンサーという事だ。
いままで、他のフォーマットに比べてサイズの小さいセンサーを持つフォーサーズは、高感度に弱いのは、どうする事もできない問題であった。
しかしこの裏面照射型では、同サイズ比で2倍の高感度特性の向上をうたっている。
さらに、センサーサイズが小さければ小さいほど、その特性は顕著になるわけだ。
このセンサーをマイクロフォーサーズが採用する事となれば、非常に魅力的なカメラを作る事ができるだろう。

しかしながら、この技術の最大の保有メーカーはソニーであり、そのソニーは、あからさまにマイクロフォーサーズシステムへの対抗心を燃やすミラーレスAPSシステムを発表した。
マイクロフォーサーズは生き残る為に、この最強の相手とガチンコの勝負をしなければならない。
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# by tks-thekid | 2010-03-03 13:11 | 四方山話し

フルサイズミラーレス機が登場すると・・・

フルサイズミラーレス機を何故、そこまでに待望しているのか。
その理由は実は非常に単純だったりす。
フルサイズミラーレス機が登場する事で、世界中に数多に存在する、マニュアルフォーカスレンズの多くがマウントアダプターを介して、そのままの画角で使用できるようになってしまうからだ。

例えば、ライカMマウントやLマウント、M42、ヤシコン、キヤノンFD、ニコンFにPENTAX Kまで、ありとあらゆる、マウントのマニュアルフォーカスレンズを一つのボディで使えるようになる。
ミラーレスにする事でフランジバックが短くなり、アダプターで調整を行えば、あるゆるレンズが使用可能になるのだ。
また、ボディの設計次第では、一眼レフでは使う事が難しかったバックフォーカスの短い後玉の張り出したレンズも使用できる。
実際、マイクロフォーサーズでは、今まで難しいとされていたマウントのレンズがマウントアダプターを介して使えるようになってしまっている。
これはある意味でパンドラの箱である。
この箱を開けてしまうと、カメラメーカーは、古今東西のあらゆるマウントのレンズと競合しなければならなくなる。
しかし、ユーザーにしてみれば夢のような話だ。

レンズの性能は、40年前のレンズと今のレンズを比較すれば、それは間違いなく今のレンズの方が高性能になっている。
工業製品である以上、それは当り前の事なのだが、性能だけでは評価できない事があるのは事実だろう。
その性能という観点からは評価できない事がクラシックレンズの魅力なのだと思う。

話は変わって「カメラの進化」という観点から、このフルサイズミラーレス機を評価したときに、レンジファインダーカメラと一眼レフカメラの機構上の欠点の両方を解消し、またその逆のそれぞれの利点を持つ唯一のカメラシステムとなるわけだ。
半世紀以上の時を経てようやくカメラが、カメラとして新しい進歩を遂げるという事になる。
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# by tks-thekid | 2010-03-01 13:10 | 四方山話し

中判レンジファインダーに学べ

先日も少し話をした中判カメラだが、カメラとレンズを合わせたシステムの総重量はかなり重い。
その問題を解決したのは、レンジファインダーにしてレフレス化し本体、レンズ共に小型化する事だったわけだ。
Mamiya7あたりのデザインは、レンジファインダー機構こそ持ってはいるものの、6×7であのサイズなのだから、凄いとしか言いようが無い。
「一眼レフの方が先」というような書き方になってしまったが、カメラの長い歴史から見れば、むしろ逆である。
一眼レフの方が、レンジファインダーより後発なのだ。
この歴史的事実に、今フルサイズセンサーのカメラを持たないメーカーは学ぶべきだろう。

キヤノンやニコン、ソニーやペンタックスもそうだが、フィルム時代からの膨大なレンズ資産に縛られ、レフレスの小型フルサイズカメラシステムを一から作る事は事実上できない。
やってしまうと、自社の現存システムのレンズ資産が売れなくなってしまう恐れがあるからだ。

今、それに手を付ける事が可能なのは、フォーサーズ陣営のみ。
フルサイズとフォーサーズでは撮像素子のサイズが面積比で4倍も違う。
マイクロフォーサーズと、レフレスフルサイズのメーカー内での共存は十分可能だろう。

ここは一発、意を決してレフレスフルサイズの世界を一から切り開いてほしい物である。
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# by tks-thekid | 2010-02-25 09:18 | 四方山話し