<   2009年 01月 ( 20 )   > この月の画像一覧

ストロボ

先日の話の中で、ストロボを使ってみることをお勧めしたのだが、これはストロボとカメラの調光技術が格段に発達したからだ。
以前のストロボは、本当に使いづらく、普通に写真を撮る事ですら困難なレベルの物だった。

所謂、マニュルストロボなのだが、これは撮影するたびに撮影距離とレンズの焦点距離からF値を計算し、ストロボの発光量がレンズのF値に対して適正露出になるように調整しなければならないという、かなり面倒な代物であった。
時間をかければ使えない事は無いし、その面倒な設定をおこないつつストロボ撮影する楽しみはあったのだが、ちょっと設定を失敗するだけで、真っ暗だったり真っ白の写真を簡単に作る事ができた。

この後に出たのが、外光オートストロボだ。
絞り値を一定の数値に設定しておけば、光量をストロボ側で自動で調整し発光してくれるようになったのだ。
これで、かなりの状況で普通には使えるようになったのだが、まだまだ自由な撮影ができるレベルでは無く、やはり細かい設定が必要な事には変わりが無い状況であった。

そういった事を、ほぼ全て解決したのが、TTLオートストロボで、それまではストロボ側が持っていた、ストロボ受光素子をカメラ側に持たせたのだ。
TTLとはthrough the lensの意で、レンズを通った光で調光するという意味である。
外光オートでは、絞り値のフレキシビリティや接写時の自動調光など様々な問題を抱えていたのだが、基本的には、全て自動で行えるようになった。
この仕組みが開発された事により、それ以前は、ストロボとカメラは切り離されて考える必要があったのが、事実上カメラの一部となったのだ。
基本的に、カメラのホットシューに取り付けるだけで、何も考えずに使えるまでになった。
更に、ストロボのバウンス角まで計算して調光するので、バウンス機能を使った自然なライティングも、無理なく行える。
メーカー純正のストロボを使う事で、更に様々な機能を、難しい操作無しで使用できるし、多灯ライティングなども、最近の中級機以上では、ほぼ標準で装備されているリモート機能を使って非常に簡単に行えるようになっている。

どんなにカメラが進化しようともアベラブルライトでの撮影には、結局限界がある。
しかし、逆にストロボに頼らずに、アベラブルライトでの撮影を続けて来たような人こそ、本当のストロボの役割が理解できるのではないかと思う。
しつこいようではあるが、レンズ一本分くらいの価格で、純正フラッシュが購入できるので、是非ともストロボ撮影を行って見て頂きたい。
撮影の可能性が、想像以上に広がるだろう。
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by tks-thekid | 2009-01-27 10:54 | 四方山話し

レンズフードの必要性

「レンズフードは邪魔だから付けない」という人が非常に多い。
でも、メーカーは殆どの場合純正でレンズフードをつけてレンズを売っている。
レンズフードって必要なのか?そもそもレンズフードの役割って何なんだ?という疑問を抱いている人は少なくないだろう。

レンズフードの本来の役割は「不要な光がレンズに入るのを防ぐ」事であり、「レンズ保護」なのだが、結論から言うと、そんなに必要じゃない。
特にズームレンズの望遠側では、殆どその基本的な役割は果たせていないだろう。
でも、自分の場合は100%装着している。
例え夜であったとしても、スタジオライティングができるような状況でも、絶対にフードは装着している。
最近のレンズは非常に優秀なレンズコーティングのお陰で、レンズフードを付けなくても、不要な光による影響は受けづらくなっている。
しかし、これはつまらない拘りなのかもしれないが、レンズに対する思い遣りだ。

「レンズちゃん、まぶしいだろ、キミを傷つけたく無いんだ」的な。

ただ、古いレンズを使っている場合は、フードは不要というわけにもいかない。
古いといっても1960年代とかそこへんまで遡っての話しだが、レンズコーティングの質も去ることながら、経年劣化により、コーティングがはがれていたりという事もある。
そういうレンズに関しては、フードを装着する事で、劇的に描写がよくなる事がある。
もともと、クラカメから写真を始めた自分の場合、その時の慣習もあり、フードは絶対装着という癖がついてしまった。

いずれにしても、描写という観点で言えば、つけているに越した事は無い。
是非ともレンズを思い遣ってあげてほしい。
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by tks-thekid | 2009-01-23 12:42 | 四方山話し

「線が細い写真が撮りたい」

「線が細い写真が撮れるレンズは?」という質問を頂いた事がある。
「線が細い」というのは、言い換えれば「シャープな」という事になると思うのだが、結論から言うと些か極端ではあるがよっぽど古いレンズやトイカメラのような類の物意外は、基本的に非常にシャープで線が細い絵が撮れるレンズだと言える。
その中でも、ライカのウン十万するような最近のレンズは、素人目に見てもかなりシャープではあるのだが、逆に言えば「線の太い」レンズを探すほうが難しいだろう。
しかし、写真を見てみると、明らかに線が太い物と細い物がある。
これは、勿論レンズに起因するところもあるし絞りや、光線状態によっても描写が甘くなることがあるのだが、いずれにしても殆どが「ブレ」と「ピンボケ」によるものだと言える。

「ブレ」の要素は「手ブレ」「被写体ブレ」「カメラブレ」の3つだと思うのだが、まず「手ブレ」をなおす事でかなり写真をシャープにする事ができる。
一般的に、手ブレは「1/レンズの焦点距離(35mm換算)」以下のシャッタースピードで起こり易いとされているが、それ以上のスピードでシャッターが切れる場合に手ブレが起きないのかと言えば、そんな事は無い。
特に線が太いとか細いとか、そういうところに拘るのであれば尚更である。
どんなシャッタースピードであれ、手ブレは起きる可能性がある。
また手ブレ補正機能を持ったカメラやレンズが一般的になってきたが、あくまで「補正」であって、それ自体が無くなっているわけでは無い。
この「手ブレ」を軽減する為には、まずしっかり意識する事だと思う。
体の力を抜き、脇をしめ、肘を体にあてて固定し、息を止めシャッターを切る瞬間に絶対にカメラを持つ手が動かないように意識する事が何より重要であると思う。
また機材の面から言えば、自分の体型にあったカメラを選ぶ事も一つ重要な要素でだろう。
例えば、500gのダンベル体操でもきつい様な女性がカメラとレンズの総重量が、1kgを超えるような機材で手持ちで写真を撮ろうとすれば、手ブレも致し方ないという感じだが、それでもカメラの支え方を工夫すれば、しっかり支える事ができる。
アイレベルファインダーのカメラであれば、自分の「顔」も重要な支点となる。
右手でボディ、左手でレンズ、そして顔でカメラを背面から支えれば3点で支える事ができるわけだ。
ウェストレベルファインダーのカメラであれば、更に支点を増やす事ができる。
まずは自分の体、両手の3点に加えて、ストラップの長さを調整して、ストラップを張った状態にして固定する事で合計4点で支える事ができる。
ストラップでカメラを支えるというのは、ウェストレベルファインダーのカメラだけの事では無く、様々な形のカメラでも使える。
ともかく、どんな形であれ、しっかりとカメラを固定する事が重要だろう。

「被写体ブレ」を防ぐには、シャッターを切るタイミングとシャッタースピードを上げてやる事しかないだろう。
厳密にどのくらいで被写体ブレを起こすかというのは、被写体の動く速さに依存しているのだが、人物等のスナップでは、大体1/30くらいが微妙な線で、最初から動いてる状態の、例えばスポーツ等なら1/200以下はきついんじゃないかなと。
シャッタースピードを上げるといっても、限界があるので、どうしてもアベラブルライト(その場に初めから存在する光)での撮影が難しければストロボを使う事も考えるべきだろう。
ストロボ撮影を毛嫌いする人もいるのだが、やってみると、これが結構面白い。
バウンスさせたり、ディフューズさせたり、色々と工夫する事で自然な光が作れるようになれる。
特に最近のストロボは、様々な機能があり、多少練習すれば誰でも使いこなせるようになっているので、是非とも挑戦して頂きたい。

「カメラブレ」を防ぐのも、シャッタースピードを上げてやるしか無いのだが、その仕組みを理解するだけでも多少軽減になる。
カメラブレは、一眼レフで言えばミラーショックとシャッターショックによって起きるブレの事である。
シャッターを切ると、カメラの中では、ミラーが跳ね上がりシャッターが走るのだが、シャッタースピードで言えばと0.1秒とか0.01秒とか、とんでも無く高速に動作しているので、それなりのショックが起きるのは当然である。
手ブレとの関連で考えると、「1/レンズの焦点距離(35mm換算)」以下のシャッタースピードを基準にすれば、標準から広角レンズで、それを基準にシャッターを切った時にボディブレの影響を受け易い状況になるという事だ。
望遠の場合は、「1/レンズの焦点距離(35mm換算)」以下の基準で考えると、例えば200mmのレンズなら1/200秒が基準になるのだが、そこまで速ければ、ミラーショックやシャッターショックの振動の波がボディに影響を起こす前にシャッターが切れているので、殆ど影響が無い。
広角になればなるほど、手ブレには有利だが、少なくとも1/60に満たないシャッタースピードでは、ボディブレや被写体ブレには、逆に注意を払う必要が出てくるということになる。
広角レンズだからと言ってもブレに対する警戒は必要でありシャッタースピードが稼げるのなら、ある程度速めで切ってやる事を意識するべきだろう。
またカメラブレは、三脚で固定した状態でもおき得る現象だということもしっかりと意識しなければならないだろう。

話しは逸れるが、ライカのような一見無駄とも思えるほどの静粛性を追及したカメラは、カメラブレを極限まで抑えたカメラと言えるだろう。
そういった意味では、「線の細い写真」=「シャープな写真」という事で追求していくと、やっぱり布幕横走シャッターのライカなのかもしれない。

ともあれ、ブレボケ写真を警戒するあまり、シャッターが切れなくなっても仕方が無い。
多少ぶれていようが、ピンボケしていようが、写ってなければ意味が無いわけで、本音を言うと、個人的には、あんまり気にしていない。
というか、全然気にしてないかも・・・
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by tks-thekid | 2009-01-22 12:35 | 四方山話し

デジタル写真の弱点を補う

昨日書いたように、デジカメで撮った写真のシャープネスは、一様に失われる傾向にある。
これは、フィルムをデジタルスキャンしてもスキャナーの性能上、同じような結果になるだろう。
「シャープネスが弱い」=「線が太い」という事になり、折角良いレンズで撮った写真もなんとなくフィルムカメラで撮った時の印象とは違った出来上がりになってしまう。
そのシャープネスが失われるという弱点をフォトレタッチソフトで補ってやる事は、実はそんなに難しい事では無い。
そして、それをやるかやらないかで、写真の仕上がりは、全く違う物になるのだ。

その方法がPhotoshopなどのフォトレタッチソフトには必ずある「アンシャープマスク」の機能である。
この「アンシャープマスク」は、元々は印刷技術ではあるがプリントするしないに関わらずデジタル写真の仕上げの工程だと思って頂いて良いだろう。

アンシャープマスクのパラメーターは「量」「半径」「しきい値」の3つ。

量   :色の濃さの度合い。数値が大きくなるほど、くっきりとした輪郭になる。
半径  :輪郭の幅。画像が荒い場合は大きく、細やかな場合は小さくする。
しきい値:濃度差による、シャープがかかる範囲の設定。数値が0で全面にかかり、255で全面にかからなくなる。
数値が高いほど濃度差の高いピクセルにしかシャープがかからなくなる。

かけかただが、まず範囲を決めるので、「しきい値」の設定を行う。
色々とご意見はあるだろうが、自分の場合は、全体にかけるので、「0」にいつも設定している。
Adobe Help Centerでは「肌の色などにノイズやポスタリゼーションが生じるのを避けるには、エッジマスクを使用するか、2~20 の範囲でしきい値を試します。」となっているので、実は「0」というのは、正解では無いのかも知れないが・・・

次は「半径」なのだが、これは画像の解像度(プリント時のサイズ)にもよるので、一概にいくつだとは言いにくいのだが、「1」Pixelから「1.5」Pixelの間くらいで調整している。
Adobe Help Centerでは「通常、高解像度画像の「半径」には 1~2 をお勧めします。」となっている。

最後に「量」なのだが、かけすぎると、不自然になるし、少なすぎると効果がよくわからなくなる。
これもまた、画像の解像度(プリント時のサイズ)にもよるので、一概には言えないが、イメージとしては、「丁度いいかな」と思う数値から5%OFFな感じでかけると良いのではないかと思う。
大体の基準だが「50%」ではかなり弱すぎで、「200%」は若干やりすぎ。
という事で100%を中心にプラスマイナス50%くらいの範囲で調整するのが良いかな。
となると50%~150%の間くらい。
Adobe Help Centerでは「通常、高解像度プリント画像には 150%~200%をお勧めします。」となっているので、自分の設定は基準としては随分弱めだ。

この作業は「フォトレタッチ」のジャンルに入るのだが、飽くまで「みだしなみ」のようなものであり、「整形手術」では無い。
プロの方が見れば、「このアマチュアが!」とお叱りを受けてしまいそうなアンシャープマスク講座ではあるが、やってみるのが一番なので、Photoshop等のフォトレタッチソフトをお持ちの方は是非とも挑戦してみて頂きたい。
特に自宅でプリントをされている方には、必須のテクニックであると思う。
またDPEにデジカメプリントを依頼するときも同様だ。
ただ、くれぐれもかけすぎ注意である。

また、上記は自分の経験値による物なので、プロの方や専門的な知識を有されている方、また別の使い方をされている方がいらっしゃれば、是非とも容赦無くガンガン突っ込んで頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。
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by tks-thekid | 2009-01-21 12:34 | 四方山話し

夢の撮像素子?

前回、ローパスフィルターの存在がレンズ交換式デジタルカメラの「超えられない壁」だという話しをさせた頂いた。
しかし、現在既に発売されているレンズ交換式デジタルカメラの中には、ローパスフィルターの無い物があるのだ。
その代表的な二つを紹介する。
一つは、FOVEON X3センサーを使用した、SIGMAのデジタル一眼レフのSDシリーズ。
もう一つは、一般的なベイヤー配列のKodak製の撮像素子を使用したLeica M8及びM8.2だ。

SIGMAが採用するFOVEON X3はCMOSセンサーの一種ではあるが、一般的な赤・緑・青の各センサーが空間的に異なる位置に並んでいるベイヤー配列のものとは全く異なり、赤・緑・青がシリコンを透過する特性が異なることを利用して、素子の厚み方向に3層にセンサーを配置している。
この層ごとにセンサーを配置する方式は、フィルムカメラのフィルムと同じスタイルであり、同一位置に各色のセンサーがある為、偽色が発生しない。
そういった理由から、ローパスフィルターは元々必要無いという撮像素子なのである。
しかし、ダストプロテクターなる、ゴミの侵入を防ぐ装備はあっても、フィルターが無い為、撮像素子に付着したゴミを除去する機能がカメラ本体に無い。

Leicaの場合は、はっきり言って力技である。
画像のシャープネスを優先した結果、無理やりローパスフィルターをはずして、偽色の発生は、画像処理エンジンで気合で処理させているのだ。
その為、ローパスフィルターで処理するべき部分はなんとか誤魔化せたが、赤外線カットができず、レンズにUV/IRカットフィルターを装着し、尚且つカメラ本体のレンズ検出機能をUV/IRカットに対応させる事で凌ぐという、国産メーカーなら絶対リコールな、禁じ手で乗り切った。
しかも、古いレンズは、レンズ検出機能に対応しておらず、それを対応させる為に更に一苦労必要なのだ。
これが60万、70万するカメラかよっ!と突っ込みたくなるのだが、しかしながら禁じ手と力技で無理やりローパスフィルターをはずしただけあって、その画像のシャープさは他の追随を許さないレベルである。
高性能なMマウントレンズのレンズ性能を余すところ無く発揮させている感じだ。
正直、モノクロだけなら最強のカメラだと言える。
ただ、前述したとおり、撮像素子の技術的には、目新しい物は無く、FOVEONに比べれば論外の力技であり、Leicaだからこそ、なせる業だと言える。
日本のメーカーならこんな物は絶対に商品化しないだろう。

SIGMAのそれにしてもLeicaのそれにしても、根本的な問題が全て解決されているわけでは無い。
しかし、他のメーカーが成しえなかった事に果敢に挑戦し、それを商品化したという点は大いに評価するべきであろう。
いつの日か、このローパスフィルターや撮像素子に付着するゴミの問題、ベイヤー配列のセンサーによって生まれる偽色の問題や、フィルターによる感度の低下及び、ダイナミックレンジの低下を完璧に解決する技術が生まれる事をせつに願っている。
厳密に言えば、現状一般的なベイヤー配列の撮像素子では、以下の弱点がある。
事実上、光の2/3は使われずフィルターがあるお陰で、解像度は劣化してダイナミックレンジも狭くなる。
正に三重苦だ。
もの凄く簡単に言うと、ベイヤー配列の問題と言うのは人間でも細かい格子柄を見ると目がチカチカしするの同じ事と言った感じだ。

正直な話、もうベイヤー配列の従来の撮像素子には限界が来ていて、FOVEONのような根本的なブレークスルーが無い限り、これ以上の進歩は望めないところまで来ているのだ。
いくら連写が速くなり、撮像素子がでかくなり、高感度特性が向上し、画素数があがり、電池の持ちがよくなり、手ブレ補正機能が充実し、小型軽量化し、動画が撮れたとしても、所詮根本的なことは何の進歩もしていないと言うことだ。
70点の写真が何枚撮れようが100点の写真が撮れる可能性の無いカメラなんて、と考えると少し憂鬱な気持ちになる。

ともあれ、全く別のアプローチではあるのだが、コンパクトタイプのデジカメでAPS-CのサイズのFOVEON X3をのせているSIGMA DP1というカメラがある。
レンズ固定式のコンデジである為、そこまでゴミに神経質になる必要は無い。
そういう意味でDP1は、ベイヤー配列撮像素子が抱えるローパスフィルター等の問題の面では、FOVEON X3を使う事で、ほぼ完璧な回答を出した唯一のカメラではないだろうか。
若干ハードウェア的な作りこみが甘かったようで、レスポンスがものすごく悪いようなのだが、近いうちにDP2が発表予定なので、SIGMAのコンデジサイドからの挑戦にも期待したい。

本物の夢の撮像素子の登場はいつになるのだろうか。
また、FOVEON X3は本物の夢の撮像素子になれるのだろうか。

ただ、アマチュアの自分がこんな重箱の隅をつっつくような事をねちねち考えるよりも、今ある機材で撮影を楽しむ事の方が間違いなく有意義であると思う。

このままだと救いが無いので、次回はこの弱点を補う方法を。
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by tks-thekid | 2009-01-20 10:44 | 四方山話し

レンズ交換式デジタルカメラが超えられない壁

レンズ交換式デジタルカメラには、超えられない壁が存在している。
それがローパスフィルターの存在だ。

一般的なデジカメの撮像素子ではベイヤー配列といって赤・緑・青の各受光素子が空間的に異なる位置に並んでいて、各色でモアレの出る位置がずれて偽色とよばれる存在しないはずの偽の色にじみが発生する。
ローパスフィルターとは、撮像素子の前に入っている上記のような現象を防止する為の光学的なフィルターなのだが、このフィルターの存在があるために、どんなに高性能なレンズを使っても、そのレンズ性能の光学的な解像度を100%撮像素子に届かせる事ができないのだ。
それを補うために、カメラメーカーは高性能な画像処理エンジンを搭載し、フィルターでスポイルされた情報を再度補完させている。
極端な例えをするのならば、画家が安物の眼鏡をかけて、高性能な望遠鏡で月を覗き一生懸命に、よくわからないディティールを想像しながら、その絵を描いている状態なのだ。

また、ローパスフィルターには、本来の役目以外にも、撮像素子にゴミが直接付着するのを防止するという、重要な役割がある。
レンズ交換式カメラは、レンズを交換する際等に、ボディの内部に微細なゴミが侵入し電気を帯びた撮像素子がそのゴミを吸い寄せて、簡単には取れない状態になってしまう。
フィルムカメラであれば、万が一ボディ内にゴミが侵入しフィルムにゴミが付着したとしても問題が起きるのは、その1カットだけで、フィルムを送れば次のカットには影響が無くなるので、大きな問題にはならないし、レンズ交換後には空シャッターを切る等する癖をつけておけば、フィルムについたゴミで泣く事はほとんど無いわけだ。
しかしデジタルカメラの場合、撮像素子は、固定されているので一度ゴミが付着してしまうと物理的に除去しなければ根本的には解決できない。
その為、撮像素子の前にあるローパスフィルターや、ゴミ付着防止用の専用フィルターに帯電防止処理して、ゴミが撮像素子に直接付く事を防ぎ、尚且つフィルターを振動させたり、撮像素子を直接振動させて、ゴミを弾き飛ばしたり、振るい落としているのだ。

このローパスフィルターの担っている厄介な二つの問題が、現状、レンズ交換式デジタルカメラが超える事ができない大きな大きな問題である。
この大きな壁を超えた時、また一歩、デジタルカメラがフィルムカメラを完全に超えて行く日が近づく事になるのだが、そうそう簡単では無さそうだ。

※注【ローパスフィルターを装着していない撮像素子を使ったカメラもある事はあるのだが、今回は少し話しがややこしくなるので、取り上げない事とする。次回はその夢?の撮像素子のお話を。】
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by tks-thekid | 2009-01-19 11:40 | 四方山話し

カメラ選び その3

貧乏な自分にとって、写真を撮る際にかかるコストは、カメラを選ぶ中で最も重要な要素である。
いくら良いカメラ、良いレンズを持っていても、撮影をするたびに膨大なコストがかかるようでは、撮影自体が億劫になってしまう。
しかし、サイクルコストを考える必要が無ければ、今でもメインの機材はフィルムか?と問われると恐らく違うだろう。
フィルムは現像するのに手間と時間がかかってしまうからだ。
それでは、サイクルコストがかからず、現像するのに手間も時間もかからないフィルムカメラがあったなら、今でもメイン機材はフィルムか?というとそれも恐らく違うだろう。
自分の撮影スタイルで言うならば、デジタルでRAW撮りして、PhotoshopLightRoomで現像できる今の環境は、フィルムよりもはるかに使い勝手が良い。
デジタルの場合、フィルムのように撮って出しの状態では完結しない。
撮影、現像、プリントの全てを自分で行う必要があり、また自分で自分の部屋で行う事ができる。
またRAWデータで撮影しておけば、1枚のデータから、ネガフィルムっぽくとかポジフィルムっぽくとか、勿論、モノクロにも現像できるし、露出の調整や、コントラスト調整等までできてしまう。

「そんなの写真じゃないと」言われればそれまでだが、これが今の自分のスタイルなのだ。

そういった意味でも、自分の場合はメインの機材はデジタル以外は今のところ考えられない。

ただ、現状でフィルムカメラの資産があり、大きいサイズのフィルムフォーマットに拘るのであれば、まだまだフィルムカメラの活躍する余地は十分にあるわけだし、フィルムカメラでのレンズフィーリングに慣れてしまっていて、そのスタイルを崩したくないという向きにもフィルムカメラでなければならない理由は厳然と残る。
また、フィルムカメラには、デジタルにない「儀式」のような物が沢山残っており、その「儀式」を楽しむという考え方もある。
更に「フィルムカメラを使う」という制約条件下での撮影をこなしていくという楽しみもある。
こういった事は、ただの趣向と捉えられがちだが、上記のようなことが精神的な作用で、作品に良い影響を与える事は十分に考えられるわけだ。
画質という点で言えば、フィルムとデジタルを単純には比較できないものの、フィルム特有の「味」というものはデジタルでは、なかなか再現する事が難しいのもまぎれも無い事実である。
また、デジタルをメインの機材にするには、最低限のパソコンの知識と、最低限のスペックのパソコンを持っている必要があるだろう。
フィルムカメラとデジタルカメラを比較する際に、デジタルカメラには、パソコンという周辺機器が必要だと言うことをはずしては、考えられない。

単純に作品として写真を捉えた時に、絵筆としてフィルムカメラを使うかデジタルカメラを使うかの違いでしか無い。
ただ、個人的には、「フィルムじゃなきゃいけない」とか「デジタルが絶対に良い」とかいう先入観をまず捨てて、本当に自分に合っている方を様々な条件を比較しながら選択する事が賢明であると思う。

今日撮った、友人の子供(六ヶ月)の写真。
デジカメでRAWで撮って、LightRoomで現像。

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by tks-thekid | 2009-01-18 15:04 | E-300 14-54 2.8-3.5

街撮りスナッパーの最初のレンズ選び その2

前回50mmと28mmが好みのレンズだという話しをしたのだが、街撮りスナッパーの最初の一本には、28mmをお勧めする。
50mmレンズの対角画角は約47°で28mmの対角画角は75°。
凡そ1.6倍の画角ということになる。
50mmレンズの画角は人間のそれとほぼ一致すると考えると、28mmの画角は、普段人間が意識している視野よりも1.6の世界を写してくれる。
この1.6倍が何を意味するのかというと、ファインダーを覗かずにフレーミングして、大雑把ではあるが、被写体をフレーム内に収める事ができる範囲という事だ。

恐らく、街撮りスナッパーでなければ、最初の一本は50mmをお勧めするだろう。
しかし、繰り返しになるが街撮りスナッパーの使命は、被写体にいかに気付かれないようにシャッターを切るかなのだ。
28mmよりも広い画角のレンズは、あるのだが、個人的にはこの1.6倍の世界が、もっとも扱い易い。

それでは、実際にどんなカメラ、どんなレンズを選べば良いのか?
結論から言うと、Ricoh GRD IIが今のところ最もお勧めである。
これは、35mm換算で28mmの単焦点レンズを搭載したハイグレードコンデジである。
レンズ交換式カメラでは無い分、非常にコンパクトではあるが、「レンズグルメ」をも唸らせるGRレンズの描写性能は、街撮りスナッパーには、うってつけだ。
さらに、フルマニュアル撮影にも十分たえられる操作性の高さも重要なポイント。
所謂「プレミアムコンデジ」の部類に入る、このGRD IIだが、最近では価格もこなれて来ているし、自分もめちゃくちゃほしいと思っているところなのだ。
この単焦点レンズ搭載のコンデジという、めちゃくちゃニッチなデバイスは、街撮りスナッパーをその気にさせるには十分すぎるほど、かっこいい。
ただ、超個人的な希望を書くと、価格コム等でも一部言われていたが、Ricohは是非ともマイクロフォーサーズに参加してGRレンズを供給してほしい。
今のところデジタル一眼レフは作っていないが、非常に優れたレンズを作る事ができる数少ないメーカーだ。
恐らく、GRレンズが使えるというだけの理由で多くのユーザーがマイクロフォーサーズボディを購入する事だろう。

話は戻って、カメラ及びレンズの選択だが、勿論ズームレンズでも良い。
ただ、街撮りスナッパーとしての実力を付けていく為に絶対的に必要なのは、画角感なのだ。
であるなら、最初は練習の意味も込めて単焦点を選ぶべきだし、単焦点とズームでは、価格対性能比で単焦点の方が有利なのだ。

ほかにも単焦点プレミアムコンパクトならば、SIGMA DP1も選択肢に入ってくる。
ただ、今回はレンズをフューチャーした選択なので、GRD IIを選択した。
銘玉と呼ばれるGRレンズで是非とも街撮りスナッパーデビューをして頂きたい。

またまた話しは変わるが、「どうせ、こんなブログまともに読んでる人なんていねーだろ」と思いつつ書いていたのだが、ここ数日、想像以上のアクセスを頂いている。
本当にありがたい事だ。

また、ご意見、ご感想、質問、苦情、つっこみ等々全て歓迎なので、コメントを寄せていただければ幸いです。
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by tks-thekid | 2009-01-17 13:48 | 四方山話し

カメラ選び その2

「レンズグルメ」という言葉をご存知だろうか?
知らなくて当たり前の言葉なのだが、レンズは焦点距離や、開放F値だけで全ての描写が決まる訳では無く、その他の様々な要素がレンズの描写を左右している。
例えば、レンズコーティングがその一つである。
一番有名なレンズコーティングと言えば、「レンズグルメ」の大好物であるカール・ ツァイスのT*(ティースター)コーティングだろう。
レンズのコーティングとは元々、レンズ表面、及び内面の不必要な光の反射を無くし、フレアやゴーストの発生を抑え色の補正を行い、光の透過率をアップさせる為の物である。
T*コーティングは、その元々の役割を超えて、コーティングにより生まれる独特の色が「ツァイスブルー」等と評され神格化された。
特に、CONTAX時代(YASHICA、京セラ(YKマウント、Gマウント)時代)のT*コーティングは、クリアで安定したコントラスト、独特の色を生み、それによって生まれる空気感は、多くのファンを作った。

しかし、ヤシカ/京セラが作ったCONTAXブランドのカメラは、けして褒められるような代物ではなかった。
レンズは最高だがボディは最低というのが、当時の専らのCONTAXの評価だった。
巷でよく言われたのが、「Nikonのボディにツァイスレンズがつけられれば最高なのに」といったようなことだった。
ツァイスが使いたいなら、CONTAXのボディしかない・・・という理由でCONTAXのボディを選ぶ人は少なくなった。

その後、コシナがZeissのライセンスを取得し、実際に「Nikonのボディでツァイスレンズ」が実現されるに至った。
またライカのボディでツァイスのレンズという事まで実現されてしまった。
更に近くCanon EFマウントのツァイスまで出てしまうのだ。

しかしながらヤシカ/京セラ時代のレンズの描写とは、個人的には別物だと感じている。
それはどちらがより優れているというような次元の物では無く、全く好みの問題といった感じなのだが、私見を述べさせてもらうのなら、圧倒的にヤシカ/京セラの物が好みだ。

ともかく、簡単に言うと、そのマウントのレンズを使いたいが為にカメラを選ぶという形がとられたわけだ。
この「レンズグルメ」的趣向は、けして否定されるべきものでは無い。
むしろカメラの醍醐味の一つでは無いだろうか?
しかし、殊更に批判的な事を言う人間がいるのも事実であり、なんとも寂しい限りである。

未だにCONTAX、特に自分の場合は、先日も書いた通りGシリーズには憧れ以上の何かがある。
また、最近でもコシナツァイスMマウントのSonnar 1.5/50なども憧れの一本である。
他にもM-ROKKOR 40mm F2 等々、物欲は果てしない。

宝くじでも当たればBessa R3aあたりで「レンズグルメ」を楽しみたい今日この頃である。
食と同じで、どうしても「B級グルメ」的趣向になってしまうのが情けない・・・
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by tks-thekid | 2009-01-16 12:40 | 四方山話し

街撮りスナッパーの最初のレンズ選び

好きなレンズの焦点距離を2本選べと言われたら、自分の場合は、迷わず50mmと28mm(35mm換算)を選ぶだろう。
28mmは広角レンズ、50mmは標準レンズのそれぞれ、代名詞的な焦点距離である。

28mmは、ストリートスナップをする場合には、最も扱い易い。
晴れている日中であればF8まで絞ってノンファインダー(ファインダーを覗かずに)で首からぶら下げたまま、撮っているのだが、こうすることでよほどの事が無い限り、被写体にシャッターを切った事に気付かれる事は無い。
ストリートスナップにおいては、被写体に撮っている事を気付かれないようにする事が非常に重要になってくる。
その為、ファインダーを覗いて、じっくり構図を確認し、絞りとシャッタースピードを決めてからシャッターを切るというような事は、事実上不可能である。
そこで活躍するのが広角レンズなのだ。
もともと被写界深度が深く、画角も広い為、少々大雑把なフレーミングでも、ある程度の画角感さえつかめておけば、大きな失敗はしない。
尚且つF8以上に絞っておけば、ピンボケすることも殆ど無い。
また、自分が使っているFour Thirdsは、フィルムフォーマットが他のフォーマットに比べて小さい為、更に被写界深度が深くなる。
F8くらいまで絞れば事実上のパンフォーカス(凡そ手前1m~画面全域でピントが合っている状態)となるわけだ。
もともと大雑把に撮っているから、多少ピンボケしようが、ブレていようが、個人的には、あまり気にならない。
そんな事よりも、その時しか出会う事の無い道行く被写体をカメラに収められた事の方が重要なのだ。
また、全く逆の話しになるが、画角が広い分、被写体をクローズアップして切り抜きたければ、近づく必要がある。
ストリートスナップで被写体に可能な限り近づきシャッターを切る瞬間の緊張感は、たまらないものがある。

別次元の話しになるのだが、自分の好きな焦点距離と年齢は、大体同じになるという、話しもある。
若い頃は、広い画角を好み、年齢を重ねていくと、それに伴い好きな画角は狭くなっていくという物だ。
自分は今28歳なので、そういう意味ではピッタリくるのが、この28mmの画角というこになるわけだ。

50mmは、望遠的にも広角的にも使える、正に足で撮るレンズである。
また、50mm前後の明るいレンズは、絞ればカッチリ、開ければボケる、表現の幅が広くオールマイティに使える。
以前も書いたように人間の目で捉えている遠近感(パースペクティブ)と50mm前後のレンズの遠近感は凡そ一致している、また画角も人間の見た目に近い。
簡単に言えば自分の目とレンズがシンクロしているのだ。
日常を切り取りたいという欲求からカメラをはじめようと思った人であれば、この50mmレンズから使い始める事をお勧めしたいし、自分もそうであった。
またレンズの焦点距離ごとの画角感をつかむ為の基準になるので、是非とも使い倒して、その画角感を身に付けて頂きたい。


注※【以上、全て35mm換算の時の焦点距離での話しです。
例えば、フィルムカメラでは無いAPS-Cサイズの撮像素子を持つデジタル一眼レフ(CANON EOS Kiss Digital X2、Nikon D40など、その他のエントリークラス、また中級機程度までの殆どのデジタル一眼レフ)では、レンズに表記されている焦点距離の約1.5倍の数字が35mm換算の数字になります。
ですので、デジタル一眼レフを使われている方は28mmの場合は18mm前後、50mmの場合は35mm前後のレンズの事を指しております。】
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by tks-thekid | 2009-01-15 10:15 | 四方山話し