レンズ交換式デジタルカメラが超えられない壁

レンズ交換式デジタルカメラには、超えられない壁が存在している。
それがローパスフィルターの存在だ。

一般的なデジカメの撮像素子ではベイヤー配列といって赤・緑・青の各受光素子が空間的に異なる位置に並んでいて、各色でモアレの出る位置がずれて偽色とよばれる存在しないはずの偽の色にじみが発生する。
ローパスフィルターとは、撮像素子の前に入っている上記のような現象を防止する為の光学的なフィルターなのだが、このフィルターの存在があるために、どんなに高性能なレンズを使っても、そのレンズ性能の光学的な解像度を100%撮像素子に届かせる事ができないのだ。
それを補うために、カメラメーカーは高性能な画像処理エンジンを搭載し、フィルターでスポイルされた情報を再度補完させている。
極端な例えをするのならば、画家が安物の眼鏡をかけて、高性能な望遠鏡で月を覗き一生懸命に、よくわからないディティールを想像しながら、その絵を描いている状態なのだ。

また、ローパスフィルターには、本来の役目以外にも、撮像素子にゴミが直接付着するのを防止するという、重要な役割がある。
レンズ交換式カメラは、レンズを交換する際等に、ボディの内部に微細なゴミが侵入し電気を帯びた撮像素子がそのゴミを吸い寄せて、簡単には取れない状態になってしまう。
フィルムカメラであれば、万が一ボディ内にゴミが侵入しフィルムにゴミが付着したとしても問題が起きるのは、その1カットだけで、フィルムを送れば次のカットには影響が無くなるので、大きな問題にはならないし、レンズ交換後には空シャッターを切る等する癖をつけておけば、フィルムについたゴミで泣く事はほとんど無いわけだ。
しかしデジタルカメラの場合、撮像素子は、固定されているので一度ゴミが付着してしまうと物理的に除去しなければ根本的には解決できない。
その為、撮像素子の前にあるローパスフィルターや、ゴミ付着防止用の専用フィルターに帯電防止処理して、ゴミが撮像素子に直接付く事を防ぎ、尚且つフィルターを振動させたり、撮像素子を直接振動させて、ゴミを弾き飛ばしたり、振るい落としているのだ。

このローパスフィルターの担っている厄介な二つの問題が、現状、レンズ交換式デジタルカメラが超える事ができない大きな大きな問題である。
この大きな壁を超えた時、また一歩、デジタルカメラがフィルムカメラを完全に超えて行く日が近づく事になるのだが、そうそう簡単では無さそうだ。

※注【ローパスフィルターを装着していない撮像素子を使ったカメラもある事はあるのだが、今回は少し話しがややこしくなるので、取り上げない事とする。次回はその夢?の撮像素子のお話を。】
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by tks-thekid | 2009-01-19 11:40 | 四方山話し
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