「レンズグルメ」という言葉をご存知だろうか?
知らなくて当たり前の言葉なのだが、レンズは焦点距離や、開放F値だけで全ての描写が決まる訳では無く、その他の様々な要素がレンズの描写を左右している。 例えば、レンズコーティングがその一つである。 一番有名なレンズコーティングと言えば、「レンズグルメ」の大好物であるカール・ ツァイスのT*(ティースター)コーティングだろう。 レンズのコーティングとは元々、レンズ表面、及び内面の不必要な光の反射を無くし、フレアやゴーストの発生を抑え色の補正を行い、光の透過率をアップさせる為の物である。 T*コーティングは、その元々の役割を超えて、コーティングにより生まれる独特の色が「ツァイスブルー」等と評され神格化された。 特に、CONTAX時代(YASHICA、京セラ(YKマウント、Gマウント)時代)のT*コーティングは、クリアで安定したコントラスト、独特の色を生み、それによって生まれる空気感は、多くのファンを作った。 しかし、ヤシカ/京セラが作ったCONTAXブランドのカメラは、けして褒められるような代物ではなかった。 レンズは最高だがボディは最低というのが、当時の専らのCONTAXの評価だった。 巷でよく言われたのが、「Nikonのボディにツァイスレンズがつけられれば最高なのに」といったようなことだった。 ツァイスが使いたいなら、CONTAXのボディしかない・・・という理由でCONTAXのボディを選ぶ人は少なくなった。 その後、コシナがZeissのライセンスを取得し、実際に「Nikonのボディでツァイスレンズ」が実現されるに至った。 またライカのボディでツァイスのレンズという事まで実現されてしまった。 更に近くCanon EFマウントのツァイスまで出てしまうのだ。 しかしながらヤシカ/京セラ時代のレンズの描写とは、個人的には別物だと感じている。 それはどちらがより優れているというような次元の物では無く、全く好みの問題といった感じなのだが、私見を述べさせてもらうのなら、圧倒的にヤシカ/京セラの物が好みだ。 ともかく、簡単に言うと、そのマウントのレンズを使いたいが為にカメラを選ぶという形がとられたわけだ。 この「レンズグルメ」的趣向は、けして否定されるべきものでは無い。 むしろカメラの醍醐味の一つでは無いだろうか? しかし、殊更に批判的な事を言う人間がいるのも事実であり、なんとも寂しい限りである。 未だにCONTAX、特に自分の場合は、先日も書いた通りGシリーズには憧れ以上の何かがある。 また、最近でもコシナツァイスMマウントのSonnar 1.5/50なども憧れの一本である。 他にもM-ROKKOR 40mm F2 等々、物欲は果てしない。 宝くじでも当たればBessa R3aあたりで「レンズグルメ」を楽しみたい今日この頃である。 食と同じで、どうしても「B級グルメ」的趣向になってしまうのが情けない・・・
by tks-thekid
| 2009-01-16 12:40
| 四方山話し
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全体 minolta SRT Super 伝言板 E-300 14-54 2.8-3.5 E-300 MD 50/1.7 E-300 MCRokkor50/1.4 14-54 2.8-3.5+FL-36 四方山話し 以前の記事
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