レンジファインダーと一眼レフ

カメラには、様々な種類の物がある。
今、最も一般的なカメラが一眼レフだろう。
それでは、一眼レフとはどういうカメラなのか。

レンズとフィルム(デジタルの場合は撮像素子)の間に鏡(レフ)があり、レンズから入ってくる光(イメージ)を鏡で折り曲げてファインダーに導き、実際に撮影される絵をファインダーで見ることができるカメラである。
簡単に言うと、ファインダーで見ている絵と、実際に写る絵がほぼ同じと言うことだ。

ただ、一口に一眼レフというくくりでくくってしまうと、ハッセルブラッドの500シリーズから、EOS kiss digital Fのような最近のデジイチまで全てが一眼レフであり、カテゴリーとしては、いささか範囲が広すぎる。

そこで、フィルムフォーマットを分類に加えてやると、わかり易くなる。
一般的に一眼レフカメラと呼ばれる物は、35mmフィルムフォーマットのアイレベルファインダーを持った一眼レフカメラの事を指している。
35mmフィルムとは、コンビニ等でも売っている極々一般的なフィルムのサイズで、24mm×36mmの露光面積を持っている。

ここでは、この一般的な一眼レフをデジタル一眼レフと区別するために敢えてフィルム一眼レフと呼ぶことにする。
僕の周りで35mmフィルムカメラを使用している人の殆どがこのフィルム一眼レフを使用しており、35mmフィルムカメラの中でもやはり、問答無用で最も一般的なスタイルだといえる。
日本国内では、当時、太刀打ちできないほどに完成さえれたレンジファインダーカメラであったLeica M3に別の切り口でのアプローチで対抗しようと、一眼レフカメラの開発が行われた。
その結果生まれたのが、不朽の名機Nikon Fであった。
Nikon Fの登場により、一眼レフカメラの可能性はプロの市場でも認識され、それ以外のカメラはどんどん淘汰されていった。
また、日本の有名カメラメーカーは、レンズ交換式のレンジファインダーカメラの開発を殆ど止めてしまった。
そして日本のフィルム一眼レフカメラは、世界の市場を独占してしまったのだ。
その為、つい最近になるまで日本製の優秀なレンズ交換式レンジファインダーカメラは存在しなかった。

では、レンジファインダーカメラとはどういうカメラなのか。
一眼レフカメラと比較しながら、話しをすすめる事にしよう。
まず一眼レフとの一番の違いは、ファインダーである。
レンジファンダーとは光学的な距離計の事を指している。
一眼レフでは、鏡(レフ)を使って、光を曲げる事で撮影されるそのまま絵をファインダーで見る事ができたが、レンジファインダーカメラは、撮影するレンズとは別の光学系をファインダーが持っていたのだ。
この為、ファインダーから見えている絵はそのまま撮影される絵ではなく、レンズの焦点距離ごとのフレームがファインダー内表示されており、そのフレームを使ってフレーミングをする必要がある。
また一眼レフのように視度差を補正できないため、メガネをかけている人は、少々使いづらいだろう。
レンジファインダーの有効基線長の関係上、望遠レンズのピント合せには限界があるし、逆に近接撮影時には、最短撮影距離にも限界がある。

ここまで読むと、一眼レフの優位性ばかりが強調されてしまっているが、レンジファインダーが一眼レフに比べて全てにおいて劣っているわけでは無い。
レンジファインダーの優位性は、ミラーボックスを持たない事にある。
というかそれに尽きる。


ミラーボックスを持たない為に、一眼レフに比べて小型化できるというのがまず一点目。
また、レンズも絶対的に小型軽量化が可能である。
二点目は、ミラーを持たない為、シャッターを切った時にミラーが跳ね上がる事によって起きるミラーショックが無く、ボディブレの発生が少ない。
また、シャッター音も非常に小さくする事ができる。

じゃあどっちがいいの?
という事になるが、これはその人の撮影スタイルによる。
レンジファインダーが優位な状況は非常に限られているので、レンジファインダーをお勧めできる人の条件を大雑把にあげてみよう。

まず、好きなレンズは凡そ28mmから135mmの間でマクロ撮影なんてしない。
むしろレンズ交換も殆どしない。
構図は足で決めるもの。
カメラは自分の目。
シャッタースピードは1/2000まであれば十分。
スナップ写真が中心。
メガネをかけていない。
カメラの気持ちをわかって上げる事ができる。
ファインダーはあくまで目安程度にしか考えていない。
アンリ・カルティエ・ブレッソンの写真が好き。
木村 伊兵衛の写真も好き。

こういう人は迷わずレンジファインダーだ。
いささか乱暴ではあるが、こういう人の為にあるのがレンジファインダーなのだ。

という事で、ざっくりと一眼レフとレンジファインダーを比較してみた。
ここではっきりするのは、一眼レフとレンジファインダーは全くの別物という事だ。
レンジファンダーの正常進化が一眼レフというわけでは無いし、その逆も然り。
どちらにも絶対的な優位性など存在しない。

***以下は今日の内容から少しはずれた脱線文なので、純粋にカメラのハードウェアの事を知りたい人はここまでで以下は読み飛ばして頂きたい。***


しかし、デジタルカメラの世界では、この二つの問題を両方とも完璧に解決しようとしている非常に画期的で挑戦的なシステムが生まれてしまった。
それがMicro Four Thirdsシステムだ。
一眼レフ、レンジファインダーいずれのシステムからも正常進化を遂げている、現在唯一のカメラシステムだと言える。
詳細の説明は割愛させて頂くが、このシステムは一眼レフの利点とレンジファインダーの利点の両方を兼ね備えている。
簡単に言うと、ミラーボックスを持たない一眼システムだ。

今のところ、Panasonicからボディが一台と、レンズが2本だけ発売されているが、初号機としては、かなり完成度が高いという専らの評判である。

今後、製品のラインナップが充実してくれば、色々な意味で、かなり期待が持てる。
また他社もこのシステムに追随して新しいシステムを開発してくれれば、更に面白い事が起こりそうだが、今のところその気配は無い。
今年、最も注目すべきカメラシステムである事は、言うまでも無い。
またPanasonicは今年のレンズロードマップに20mmF1.7(35mm換算で40mmの焦点距離)というレンズがある。
このレンズが正にMaicro Four Thirdsシステムの真価を問う一本になるだろう。

というのも、ミラーボックスを持たないことによる最大の利点は、広角レンズの設計自由度の高さにあるからだ。
Four Thirdsシステムは、撮像素子サイズが、その他のデジタル一眼レフのシステムに比べて一回り小さい為に、通常35mm換算での画角が他のシステムでは1.5倍~1倍なのに対して2倍というディスアドバンテージを背負っていた。
しかし、Micro Four Thirdsでは、そのディスアドバンテージを跳ね返し、尚且つクオリティの高いレンズが作れそうなのだ。

20mmと言えば、35mmフォーマットでは超広角の部類に入ってくる焦点距離であるが、Four Thirdsでは、正に標準レンズである。
このレンズの出来がよければ、数年ぶりにカメラを買い換えるかも知れない。
ともかく、こんなにカメラの新製品に期待しワクワクするのは久しぶりの事だ。
元々、Four Thirdsユーザーである自分はかなりバイアスがかかった状況での評価をこのMicro Four Thirdsにしているのだが、それを差し引いてもあまりあるほど、魅力的である。

撮像素子のローパスフィルターの問題等、まだまだフィルムカメラを完璧には超えられないデジタルカメラだが、Micro Four Thirdsは完璧にフィルムカメラをデジタルカメラが超える最初の一歩なのではないかと思う。
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by tks-thekid | 2009-01-13 11:56 | E-300 14-54 2.8-3.5
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