続きの続き

まずレンズの焦点距離とは何か?というとレンズの中心からレンズが結像する焦点までの距離の事なのだが、一般的には画角を表す値として用いられている。
通常その単位はmmで表記されるが、古いレンズなどではcmで表記されているものも稀にある。
焦点距離が長いほど望遠、焦点距離が短いほど広角となる。
ただし、同じ焦点距離であっても、フィルムや撮像素子のサイズによって写る範囲が変わる為、原則として、レンズに表記されている焦点距離を35mmフィルムだった場合という仮定で換算して、表現される。

現在販売されているデジタル一眼レフでは主にフォーサーズ、APS-C、フルサイズの3種類のサイズの撮像素子が使われており、35mmに換算すると表記されている焦点距離のフォーサーズで約2倍、APS-Cで約1.5倍、フルサイズで等倍の焦点距離となる。

24mm~35mm程度までを広角レンズ、50mm前後を標準レンズ、70mm~300mm程度を望遠レンズと呼び、24mmより短い物は超広角、300mmより長い物は超望遠と呼んだりする。

例えば、フォーサーズの標準ズームは14-45mmの物があるのだが、これがもしそのまま35mm換算の焦点距離であるならば広角ズームという事になる。
しかし、フォーサーズの場合、前述の通り35mm換算での焦点距離は、約2倍なので28-90mmの所謂標準画角のズームレンズだと言う事がわかる。

さて、ようやく本題であるが、その焦点距離を変化させることで写真にどのような作画意図を反映させられるのかである。
焦点距離の違いで大きく4つの違いが生まれる。
1.画角の違い
2.遠近感(パースペクティブ)の違い
3.被写界深度の違い
4.圧縮効果の違い
以上の4点である。

まず、1.の画角の違いであるが、焦点距離が短いほど、写しこまれる範囲は広くなる。
だから広角レンズというのだが・・・
逆に焦点距離が長いほど、写しこまれる範囲は狭くなる。

2.の遠近感(パースペクティブ)だが、本来、遠近感は近いものが大きくなり、遠くのものは小さくなる。
これも当たり前の話だが、焦点距離が長いほど、遠くのものは大きく写り、焦点距離が短いほど小さくなる。

3.の被写界深度の違いは、焦点距離が短いほど被写界深度が深くなり、焦点距離が長いほど浅くなる。

4.の圧縮効果だが、これはなかなか文章での表現が難しい。
敢えて書くとすれば、焦点距離が短いほど、近景と遠景との距離感が増大し、遠近感が誇張される。
焦点距離が長いほど、近景と遠景の距離感が無くなり、遠近感が圧縮される。

今、自分で書いていて気がついたが、3回目にしてかなりマニアックな話しになってしまった・・・

とりあえず、上記を踏まえて写真を撮れと言われても普通の人なら???だろう。
具体的にどういうシチュエーションでどういう焦点距離のレンズを選ぶべきかを例としてあげてみよう。

まず広角レンズ
特徴としては、
・より広い範囲を写し込む事ができる
・被写界深度が深い
・パースが誇張される
感じなので、一般的には風景を撮ったり、ストリートスナップを撮ったりする場合に適している。
また、建物の写真等を撮る場合に、一枚に建物の全景を収めたい時などは、広角レンズを用いる必要がある。
またパースペクティブの誇張を利用して、人物や建物を足元からあおるように撮ったりすると面白い絵が撮れる。
ストリートスナップでは、一旦レンズの画角をつかんでしまえば、その被写界深度深さを利用して、若干絞って(F8程度)ノンファインダー(ファインダーをのぞかないで)撮影するのも面白い。
この、広角で少し絞ってノンファインダー撮影は、個人的によくやるのだが、最近のデジタル一眼レフは、ファインダーを覗かなくてもライブビュー機能等を使うのも良いだろう。
スナップの場合は、被写体や、周囲に気付かれないようにシャッターを切る事でより自然な絵を作る事ができる。

続いて標準レンズ。
これは35mm換算で50mm前後の焦点距離のレンズなのだが、何故これを標準レンズというかというと、画角が本来の人間の視野に近いということや、パースペクティブが人間のそれに近いという理由で、50mmからちょっと短いくらいの焦点距離、40mmくらいがほぼ人間の視野やパースと一致していると個人的には思う。
これくらいの焦点距離のレンズで特に開放F値がF2.0以下の物は、かなり使い易くオールマイティなレンズだと言える。
デジタル一眼レフが普及し始めた当時、某オークションサイトから、35mmF2.0のレンズが消え去った事があった。
これは、キヤノン、ニコンなどのメーカーの撮像素子のサイズがAPS-Cの為35mm換算でほぼ標準画角となり、しかもコストパフォーマンスも高く良く映る、35mmF2.0のレンズが売れまくってしまったのだ。
たしかに35mmF2.0は各社優秀なレンズが多い。
その理由としては、無理の無いレンズ設計ができる焦点距離であり、開放F値であったからだ。
本来、標準画角の単焦点レンズは以前書いたよに明るい物ではF1.2というような物があったりコストパフォーマンスにすぐれて尚且つ写りの良いF1.4というというようなものも沢山あるのだが、単焦点レンズに比べて若干暗めのズームレンズに慣れている、デジイチユーザーには、感動すら覚えるほどの写りの良さとF2.0という明るさ、そしてオールマイティな使用感は、お買い得感満載だったのだ。

基本的に、カメラを真面目に勉強したいのなら、明るい標準単焦点レンズを何はともあれ買うべきだ。
そして標準レンズの使いこなしや、画角感を身に付ける事でカメラの腕は格段に上がるし、カメラキットについてくるキットレンズのズームレンズの使いこなしだって全く違った使いこなしができるようになる。

絞ればクッキリ、開ければボケる、寄ったり離れたたり自分の足で構図を作る、暗い時には、手ブレ補正などに頼らず、しっかりカメラをホールドして息を止めシャッターを切る。
そういうレンズやカメラの基本的な使い方をまずしっかり身につける為にも標準単焦点を一本は使ってみる事をおすすめする。
きっと写真の醍醐味を存分に味わう事ができるだろう。

そして望遠レンズ。
特徴としては、
・狭い範囲をクローズアップして切り取る
・被写界深度が浅い
・パースが圧縮される

望遠レンズで、特に中望遠と呼ばれる35mm換算で85mm前後のレンズで、開放F値の明るいものは、ポートレートレンズという別名を持つ。
85mmの画角は被写体から遠からず近からず、そして望遠レンズ特有の圧縮効果とボケが、ポートレートを撮るのに最も適していると言われる所以である。
85mmF1.4など銀塩カメラ時代のレンズでも比較的高価な部類に入るものだ。
また、開放F値が1.4とかなり明るいのだが、85mmでF1.4の開放で撮ろうとすると、その被写界深度は正にミリ単位であり、目にフォーカスがあっていれば耳と鼻先は既にアウトフォーカスというような、かなりシビアなピント精度を要求される。
実質的にはF2.8程度まで絞って使うのが一般的だ。
個人的に200mmを超えるような望遠レンズは、運動会とか野鳥とか、そういった機会以外での使い道が見出しづらい。しかも高価な為、なかなか手が出ない物だ。
ただ、最近では優秀なズームレンズが多く、望遠側はズームレンズに任せるというのが基本である。

とりあえず、ざっくりと広角、標準、望遠とカテゴライズしてみたが、前述したとおり、最近では本当に優秀なズームレンズが多く、敢えて単焦点レンズを選ぶ必要性も薄くなってきた。
個人的に少しお金に余裕があれば、一度は使ってみたいズームレンズがLEICA D VARIO-ELMAR 14-150mm/F3.5-5.6 ASPHである。
実売価格で10万円を超えるような多少高価なレンズだが、そこらへんの下手な短焦点など相手にならないほど、すさまじい描写力だ。
このレンズを使う為だけにフォーサーズのボディを買っても損は無いのではないかというくらい凄い。
ブランドネームはLEICAを冠しているが、このレンズはPanasonicが作っているレンズである。
しかし家電メーカーだからと言って侮ってはいけない。
本当に凄い。
しかも35mm換算で28mmから300mmまでの画各をカバーし尚且つ、レンズ内手ぶれ補正までついている。
惜しむらくは、若干開放F値が暗い事だが、はっきり言ってそんな事はどうでもいいくらい良いレンズだ。
デジタル専用設計のレンズで最高のレンズを一本選べと言われたら、迷わずこのレンズを選ぶだろう。
他にもαのZeissシリーズはかなりいい。だがこれは目が飛び出るほど高いが・・・

最後は多少余談になってしまったが、レンズについてざっくりと書いてみた。

次回は、いよいよ実際のカメラに話を落としこんで、その操作について書いてみようと思う。
もはや、最後まで読んでいる人などほとんどいないとは思いつつも、ある程度納得行くまで書くので、読んで下さっている方がいれば、ご意見ご感想を寄せて頂けると有難い。

では、また次回。
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by tks-thekid | 2008-12-18 12:27 | 四方山話し
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