カメラのよくある勘違い

非常に多くの初心者というか、普通のカメヲタでは無い人が陥ってしまう勘違いなのだが、それはシャッタースピードについてだ。
「シャッタースピードの速いカメラはブレ写真ができない」と思い込んでいる。
少しカメラや写真の事がわかる人は、こんな事を言われた地点で小一時間説教したくなるものだ。
という事で説教させて頂く。

写真がブレてしまう原因として、被写体ブレ、手ブレの大きく分けて二つがある。
被写体ブレは、被写体がシャッターを切ったタイミングで動いていることによっておきる。
手ブレは、シャッターを切る際に、カメラを持っている手が動いてしまうことによっておきる。
その、いずれもシャッタースピードが速ければ写真に影響が無いレベルに抑える事ができる。
しかし、シャッタースピードというのは、原則的にカメラに拠って決まるものでは無いのだ。




えっ???




となってしまった人は、恐らく勘違いしていた人だろう。
勿論、カメラでシャッタースピードを決定するのは紛れも無い事実であるのだが、任意のシャッタースピードを設定してシャッターを切っても本来まともな写真など撮れない。

写真とは、フィルムに適正な量の感光をさせることではじめて、ちゃんと写るわけだ。
(フィルムと書いたが、デジタルカメラもフィルムが受光素子(半導体)に変わっただけで仕組みは全く同じである。もっと言えばビデオカメラでも全く同じ。)
その、適正な光の量の事を適正露出という言葉で表す。
この適正露出は、現在売られている殆どのカメラ(一部例外もあるが・・・)でカメラに内蔵された露出計により計測される。
そして、その計測された適正露出に合わせて、シャッタースピードと絞りを決めるわけだ。

ここでシャッタースピードと露出を水道に例えてみる。

あなたは、のどが渇いていて200ccの水が飲みたいとする。
そして、あなたは蛇口をひねり、コップに水を汲むわけだが、コップに水を200cc入れるには、蛇口をどれくらいひねるか、また、どれくらいの時間あけるかという組み合わせが、無数にある。
ただ、蛇口をどれくらいひねったかにより、自ずと、どれくらいの時間あけておくかというのも決まってくる。

蛇口をどれくらいひねったかが、絞りであり、どれくらいの時間あけていたかが、シャッタースピードなのだ。
そして、あなたが飲みたかった200ccの水の量がその時の適正露出となる。
しかし、すごくのどが渇いている時と、あまりのどが渇いていない時では、飲みたい水の量も変化する。
そののどの渇き具合を測るのが露出計である。
では実際に、露出計は何を測っているのかというと、明るさを測っているのだ。

明るい=のどが渇いていない
暗い =のどが渇いている

という事が言える。

ここまで書くと殆ど理解できたと思うが、暗い場合はシャッタースピードを遅くしてやるか、絞りを大きく開けなければならない。
逆に明るい場合では、シャッタースピードを速くするか、絞りを絞らなければならない。
しかし、蛇口の大きさや蛇口から一定時間で出てくる水の量に限界があるように、レンズにも最初から、絞りをどこまで開けられるか、又閉じられるかという限界が決まっている。
その明るい側の限界がレンズの開放F値になる。
レンズの開放F値は、通常レンズの前面のフチの部分に焦点距離と一緒に表記されている。
ズームレンズであれば、「28-70mm F3.5-5.6」というような形で書かれている。
このF○○という数値が小さければ小さいほど一定時間で水を沢山出す事ができる蛇口だと思っていただければ間違い無い。

最近では最も明るい部類でF1.2くらいであるが、ズームなどが無いのに、かなりデカイ。
レンズの基本として、明るいレンズはデカくて重い。
俺基準で言えば、F2.0以下のF値のレンズは比較的明るい部類に入り、F2.8はズームレンズでは明るい部類でF3.5はまぁ普通、それ以上は若干暗いという感じだろうか。
余談ではあるが昔キヤノンがF0.98というようなとんでもないレンズを作っていた。
この数値は人間の目よりも明るいということになる。
ただ、勘違いしてはいけないのが、明るいから良い写真が撮れるわけでは無いということだ。

ちなみに、日本の場合、開放F値の数値が低いレンズを明るいレンズ、高いレンズを暗いレンズと言って表現するが、海外では、明るいレンズをハイスピードレンズと言ったりする。
明るいレンズはシャッタースピードが稼げるという意味で、なかなか直接的で面白いが、これは文化の違いであろう。
どういう文化かというと、日本人は、写真に「ボケ」の美しさを求める。
海外では、この「ボケ」所謂アウトフォーカス部分を意図的に作るような写真を撮る文化は無かった。
最近では、日本の「ボケ」文化の影響で、レンズの良し悪しを決める重要な評価ポイントになっているようではあるのだが・・・

で、この「ボケ」とレンズの明るさに何の関係があるのか・・・
これはまた次回。
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by tks-thekid | 2008-12-16 13:58 | 四方山話し
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