時流

時間の経過と共に撮像素子の価格は間違いなく下がっていく。

2002年末に35mmフルサイズの撮像素子が搭載されたEOS1Dsが発売された当時その実売価格は100万円前後であった。
2010年現在、35mmフルサイズの撮像素子が搭載されたカメラは安い物で20万円前後で手に入るようになった。
約7年間で、価格が1/5になったわけだ。

数年前まで冗談程度に話していた撮像素子交換式カメラも既に商品として売られているのだから、撮像素子の価格低下の速さを感じざるを得ない。

この調子で行けばこれから2年くらいで、35mmフルサイズの撮像素子が搭載されたカメラが10万円~15万円程度の価格まで下がる事が予想される。
簡単にいえば、エントリークラス~ミドルクラスにフルサイズの撮像素子が搭載される時代がもうそこまで来ているという事だ。
更に先まで考えると、その次の2年後には10万円を切る価格まで下がり、様々な事情によりAPS-Cサイズとのすみ分けはあるにせよ、エントリークラスのカメラに普通にフルサイズがのるようになるだろう。

「良いカメラ」のとらえ方については、ひとそれぞれ全く違う。
そう考えれば、どんなカメラも「良いカメラ」にも「悪いカメラ」にもなりうる。
しかしながら、技術は、特許等のからみもあるが、原則どのメーカーにも平等である。

フォーサーズは、撮像素子を他メーカーより小さくする事で価格を安く抑え、専用のマウントとそのレンズ群を一から開発する事で全てを最適化し、結果的に高画質で小型軽量で尚且つコストパフォーマンスの高いカメラを世に送り出そうとした。
その発想、着想それ自体は、個人的なとらえ方で言うところの「良いカメラ」を作りあげる礎として正しい事であったと思う。

フォーサーズが一号機であるE-1を発売したのは、2003年の3月である。
EOS1Dsが発売されたのは2002年末で価格は約100万円。
E-1は20万円を切る価格で店頭に並んだ。
E-1は現在Leica M9などが使用しているKodak性のフォーサーズサイズのフルフレームセンサーを搭載し、当時のAPS-Cサイズセンサーを搭載した他社のカメラを超える高画質とオリンパスブルーといわれる、独特の深い色合いで、プロアマ問わず高い評価を獲得した。
また、E-300では、さらに価格を抑え、フォーサーズを普及させた。
結局振り返れば、フォーサーズが当初の理想をカメラに実現する事で他社に対してアドヴァンテージを持っていたのは、ここまでだったように感じる。
その後Panasonic製のLive-MOSセンサーを搭載してから、結局”絵作り”という点で、Kodak製のセンサーを超える事は無かった。
Live-MOSセンサーの搭載により、ライブビュー機能など先進的な機能を次々と導入したものの他社の追従は早く、後発の他社はより低価格でそれを実現させた。
そこで、更に小型軽量に注力すべく登場したのが、マイクロフォーサーズだった。
これは本当に素晴らしいアイデアだった。
他社も新マウントを作らなければならず、そうそう簡単に追従はできないだろうと思っていたし事実そうだった。
がしかし・・・ここ数カ月でまずサムソンがAPS-Cサイズのレフレスカメラを発表し、続いてソニーまでもが参入してきた。
万事休すである。
これで、他社に対する全てのアドヴァンテージは失われる事となり、ただの”小さい撮像素子を持つカメラ”になってしまった。
詰将棋のように他社から追い詰められ、寄り切られてしまったのだ。

4年以内にフォーサーズが自然淘汰される事は火を見るより明らかである。
これは、フォーサーズ陣営の明らかな読み違えだ。
今の段階で、マイクロフォーサーズ以外の新製品の開発は中止するべきであり新マウントの開発に直ちにとりかかるべきだろう。
非常に残念だが、特にオリンパスには、方向転換を行う為の時間的な猶予は一切無いだろう。

オリンパスファン、フォーサーズファンとして、言い訳をさせていただくが、一体だれが、35mmフルサイズセンサーを搭載したカメラが20万を切る価格で買える時代が来る事を予想しえただろうか。

あまり好きな言葉では無いが「時流」という事だろう。
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by tks-thekid | 2010-02-24 12:52 | 四方山話し
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