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バケペン

昨晩、くみさんからPENTAX645Dの話があったので、それについて自分が今思っている事を書きたい。
Pentaxの中判フィルムカメラは、2009年9月に製造が終了となった。
未だに根強い多くのプロカメラマンの愛用者がいる、67及び645だが、特にバケペンの愛称で親しまれている67については、もはや伝説の域に入る。

バケペンは、大きく重く異常なほどのミラーショックと大きなシャッター音がする、M型ライカの対極にあるようなカメラである。
しかしながら、バケペンに三脚をつけたまま、肩に担いでストリートスナップを撮影する様は、M型ライカのそれと同様に何故かスタイリッシュなのだ。

現状のPENTAXの戦略は、キヤノンやニコンのようにフルラインナップを定期的にアップデートしていくというものでは無く、エントリー機に極端にバイアスがかかった形のラインナップとなっている。
そこで、くみんさんの話の中であった”未だフルサイズ出してないのに645?”という事なるのだが、例えばこれがキヤノンやニコンのように、フルラインナップを定期的に更新していくようなスタイルで尚且つフィルム時代から35mm一本のメーカーであれば正道なのかもしれない。
しかし、どちらかというと35mmカメラよりも中判でプロアマ問わず多くのユーザーから評価を得ていたPENTAXならば、間を飛び越して645に行きつくのは、ごくごく自然な事だと言える。
ただ、それが商売的に正解なのか否かは、今の段階ではどうにも結論できない。

結局バケペンを未だに愛し続けるようなコアなユーザーが645Digitalをどう評価するかにかかっているのではないだろうか。
噂によればライカM9同様コダック製のフルフレームCCDを採用するとのこと。
となれば、現在主流のインターラインでは当たり前になっている、ライブビューや動画撮影などは行えない。
そのかわり、撮像素子にほとんど回路を持たないフルフレームCCDは同じサイズのインターライン型に比べ、受光面積が広くダイナミックレンジや、色再現性やその深さは全く別次元、別格な物になる。
キヤノンやニコンのデジタル一眼が高性能マシンガンであれば645Digitalは余計な機能は一切無く、撮像素子に命をかけた日本刀のようなデジカメだと言えるだろう。

他方、PENTAXの中判カメラと言えば、手頃な価格が大きな魅力であった。
ハッセルは無理でもPENTAXならと、中判写真に挑戦した、アマチュアカメラマンは数知れないだろう。
むしろ商売的な成功は度外視した浪花節のようなカメラにして頂ければと切に願っている。

645Digitalの詳細発表が楽しみだ。
by tks-thekid | 2010-02-23 12:53 | 四方山話し
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